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アバスチンが悪性神経膠腫に適用になった

アバスチン(ベバシズマブ)はVEGFに結合して、血管増殖を阻害してがん細胞への栄養共有を阻害する作用をもつ薬です
これまでに

  • 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
  • 扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
  • 手術不能または再発乳癌

で承認を得ています

その一方で、通常の抗がん剤では見られない重篤な副作用も知られています
出血、血栓症、消化管穿孔、創傷治療の遅延、血圧上昇などがあり、中でも血栓症と消化管穿孔は致死に至る可能性があるため、注意が必要です
(ですが、市販後調査での発生率は、それぞれ0.9%と0.4%と低値です)

ベバシズマブ

2007年4月に承認された世界初の血管新生阻害薬で、他の抗がん剤と併用することでよい治療成績が得られています。
がんが増殖するに伴って、がん自身に栄養を供給するために血液を送りこむ血管を新しく作ります(血管新生)。
アバスチンは、この血管新生を促すためにがん細胞が分泌するVEGFというタンパク質に結合して、血管の新生を抑え、栄養を行き渡らせないようにして、増殖のスピードを低下させるはたらきがあります。

抗がん剤の種類と副作用

ベバシズマブが悪性神経膠腫に対する効能・効果を取得、初発への適応は世界初

 中外製薬は6月14日、抗VEGFヒト化モノクローナル抗体ベバシズマブ(遺伝子組み換え、製品名:アバスチン点滴静注用100mg/4mL、同400mg/16mL)について、厚生労働省から「悪性神経膠腫」に対する効能・効果、用法・用量追加の製造販売承認を取得したと発表した。初発の悪性神経膠腫(グレード3、4)を含む適応の取得は世界で初めてとなる。
(中略)
 悪性神経膠腫に対するベバシズマブの適応状況としては、世界67カ国で「再発の膠芽腫(グレード4)」で適応を取得している。そのため、初発の悪性神経膠腫を含む適応の取得は世界初となる。
(中略)
 世界における初発の悪性神経膠腫への効能・効果追加については、「欧州では申請中で、米国では申請を検討している段階」(中外製薬広報IR部)だ。

ベバシズマブが悪性神経膠腫に対する効能・効果を取得、初発への適応は世界初

メーカーが採算性が合わないという理由で、薬剤開発を行わないものです
ですが、アバスチンは副作用の理由から扱いづらい薬という話も聞きます
それが原因かもしれませんが、戦略的により多くの疾患への適用が増えるのは、患者さまの治療選択肢が増えるので、良いことだと思います