日々のつれづれ

不惑をむかえ戸惑いを隠せない男性の独り言

CT検査は非侵襲の診断法ですが、リスクもある

CT検査は、MRI検査に並び、広く一般的な検査法になりつつあります
それは、体の内部にある疾患を手術や採血といった体を傷つけることなく、見つけることができる方法だからです

古い情報ですが、CT普及率は日本がダントツ高く、日本で注目されている検査法だとわかります

nikkei BPnetから

日本のCT普及率は米国の約7倍
経済協力開発機構OECD)が参加30カ国に対し、2年に1回実施している調査の結果。
日本における、人口100万人当たりのCTやMRIの導入状況は、米国や英国など、他の先進諸国より圧倒的に高いことが分かります。
全参加国の導入状況の平均をみると、CTは13.3台(日本は92.6台)、MRIは5.5台(日本は35.3台)となっています。
http://www.nikkeibp.co.jp/jp/kenkou/factsheet/shared/ctmri_graph1.gif

日本がダントツに多いCT・MRI普及率から抜粋
Medsafe.Netから

診断技術の普及率
MRI やCTスキャナの人口当たり台数は日本が極めて多いという結果がでています。
人口100万人当たりの台数でみると、日本では、MRIは35.3台(OECD平均7.3台)、CTスキャナは92.6台(OECD平均17.6台)となっています。
OECDは、国が豊かであれば最先端技術を導入できる、日本が多いのは当然だ、とみています。
http://www.medsafe.net/contents/special/49OECD/img/zu2.JPG

スペシャリストに聞く、第49回:「医療の質に関する指標開発と国際比較」

CT検査はX線を使っている

CT検査の正式名称は正しくはコンピューター断層撮影法(Computed Tomography)です
測定原理は、身体にX線を照射し、通過したX線量の差から身体の内部を画像化します
つまり、測定中は短時間ですが、X線を浴びることになります
もちろん、安全面、健康面は十分に配慮された設計になっています
大阪大学のQ&Aが参考になると思います

オーストラリアのコホート研究

NMオンラインがBMJ誌の論文を紹介しています

論文の図

http://www.bmj.com/highwire/filestream/646287/field_highwire_fragment_image_m/0/F2.medium.gif
Fig 2 Incidence rate ratios (IRR) for all types of cancers in exposed versus unexposed individuals based on a one year lag period, by the number of CT scans. The IRR increased by 0.16 (95% confidence interval 0.13 to 0.19) for each additional CT scan, calculated after stratification for age, sex, and year of birth (χ2=131.4 and P<0.001 for trend). If unexposed people were excluded, the trend remained significant (χ2=5.79 and P=0.02 for trend). The average number of scans among individuals exposed to three or more scans was 3.5. (Web figure A shows corresponding results based on lag periods of five and 10 years)

20歳未満でのCT検査で癌リスクが有意に上昇

20歳未満の患者に対するCT検査は、検査回数依存的に癌リスクを上昇させることが、大規模なコホート研究の結果、示された。
オーストラリアMelbourne大学のJohn D Mathews氏らが、BMJ誌電子版に2013年5月21日に報告した。
(中略)
小児にCT検査が行われる理由として最も多いのが頭部の外傷で、CT検査を依頼する医師の多くは放射線科医ではない。
「85〜05年の当時、使用されていた放射線量よりも、現在のCT検査で必要な線量は低い。しかし、リスクがあることは確かなので、CT検査は、検査の必要性が明らかな症例に対し、診断に有用な画像を提供できる最低の線量を用いて行うべきであり、患者やその家族の協力も得て、利益がリスクを確実に上回るような活用を目指す必要がある」と著者らは述べている。

NMオンライン海外論文ピックアップから

過剰な心配は不要ですが、適切な検査を適切な時期に適切な手段で選択することが大切だと思いました。