日々のつれづれ

不惑をむかえ戸惑いを隠せない男性の独り言

ジェムザールは多様な癌に効果があると改めて思う

先月開催された第65回日本産科婦人科学会学術講演会では卵巣がんについての発表がいくつがあったようです。
ということで、興味深いトピックをNMオンラインから抜粋して、自分メモ。

自治医科大学産婦人科学教室の竹井裕二先生の報告
ゲムシタビン単剤療法は、プラチナ/タキサン抵抗性再発卵巣癌患者に対し、比較的安全で、ある程度の効果も期待できる
日本人女性の救援化学療法(salvage chemotherapy)となりうる

ゲムシタビン単剤療法は、海外のエビデンスが多く、日本人女性への適正が不明
強い前治療(プラチナ/タキサン)を有する患者への適用が不明

  • 患者(2007年6月から2012年6月)
    • プラチナ/タキサン抵抗性再発卵巣癌患者・・・55人(年齢中央値58歳)

ゲムシタビン単剤療法を2サイクル以上施行
卵巣癌(48人)、卵管癌と腹膜癌を含む

    • 組織学的分類:漿液性腫瘍・・・40人と最も多い
  • 前治療状況

化学療法:サイクル中央値・・・17(中央値:3)
ゲムシタビン:サイクル中央値は・・・3(範囲:2-11)

  • 奏効:腫瘍縮小効果(奏効率:5%、病勢コントロール率(DCR):36%)

部分奏効(PR)・・・3人
安定状態(SD)・・・17人
進行(PD)・・・35人
無増悪生存期間(PFS)中央値・・・3カ月
全生存期間(OS)中央値・・・13カ月

  • 有害事象
    • 血液毒性(グレード3以上)

白血球減少・・・25%
好中球減少・・・52%
貧血・・・9%
血小板減少・・・11%

    • 非血液毒性(グレード2以上)

発熱・・・4%
悪心/嘔吐・・・7%
酵素上昇・・・11%

ゲムシタビン単剤療法は強い前治療を受けたプラチナ/タキサン抵抗性卵巣癌患者の救援化学療法として有益な可能性

有害事象は比較的良く知られたものなので、医師と患者さんの間でよく話し合えば、対応できる範囲なのかもしれない
一方で、卵巣がんは発見が難しく、術後化学療法を行っても5年生存率が低いことが知られている
少しでも良い治療法が見つかって、患者さまにより多くの希望が与えられる世の中が実現できると良いな、と思いました。

卵巣がんの生存率(愛知がんセンターから)

http://www.pref.aichi.jp/cancer-center/hosp/12knowledge/iroirona_gan/img/10ranso/10-1.jpg

産婦人科学会では卵巣がんや子宮がん(子宮頚がんと子宮体がん)についてのトピックが多いので勉強になります。

一方で乳がん日本乳癌学会が中心となって情報発信しています。