日々のつれづれ

不惑をむかえ戸惑いを隠せない男性の独り言

手術をしない治療法が実現するといいな

乳がん学会があった
今年も未来を感じさせる発表がたくさんあった

乳がんは手術、薬物療法放射線療法、たくさんの治療選択肢がある
エコー、CT、MRIマンモグラフィー、たくさんの診断法がある

日本では定期検診も盛んで、早期発見ができる環境にある
だから、予後の良い方もたくさんいらっしゃる
早期発見ができること、それが生存率に反映する
乳がんはそれが実現可能な癌なんだと思う
http://www.tbs.co.jp/pink-ribbon/img/data/data_graph_04.gif
(TBSリボンプロジェクトから)

で、乳がん学会があった
今年も未来を感じさせる発表がたくさんあった
その中で、興味深い発表があった

単回術中電子線治療の安全性

単回術中電子線治療は、電子線を集中させて癌を狙い撃ちする治療法
放射線療法は一般的に被爆が心配される
でも、電子線を細く、エネルギーを高くすることで、一回の放射時間を短くして、一気に癌細胞を叩くことができる

IOERTはYouTubeで、分かりやすい動画が公開されている

ただ、エネルギーを一点に集中させるということは、それなりに体に負担がかかるわけで、今回の単回治療は『一回の照射で、本当に癌組織を完全に死滅させることができるか?』ということが問われる

もし、増殖可能な癌が残ってしまったら、治療後に再発してしまうから

 早期乳癌に対し、高エネルギー電子線を用いた単回術中電子線治療(single-fraction IOERT)は、日本人においても安全に実施可能な治療法と考えられることがフェーズ1試験から示された。
 6月27日から29日まで浜松市で開催されている第21回日本乳癌学会学術総会で、群馬県立がんセンター放射線治療科(現・筑波大学茨城県地域臨床教育センター)の玉木義雄氏が発表した。

 乳房温存手術後の放射線療法として、照射期間を短縮し患者の負担を軽減するという観点から、1回当たりの放射線量を増やす加速乳房部分照射(APBI:accelerated partial-breast irradiation)があり、中でも術中照射(IORT:intraoperative electron beam radiation therapy)のみで治療を終えるsingle-fraction IORTが注目されている。
(中略)
 経過観察期間中央値46.5カ月において、5人では乳房再発を認めなかった。
 DCISの1人は36カ月目に乳房再発を認めた。

 フェーズ1試験で安全性が確認されたことから、玉木氏らは、名古屋大学、愛知県立がんセンターと共同で、2010年6月からフェーズ2試験を開始している。

 同試験では、乳房部分照射(Bq)+術中電子線照射21Gyで、切除断端から2cm以上含む範囲を照射することとしている。
 主要評価項目は有効性(患側乳房局所再発率)である。目標症例数は140人。
 選択基準には、腫瘍径2.5cmまでの乳癌、年齢50歳以上、術中迅速病理検査にて乳腺断端に腫瘍を認めない、術前あるいは術中センチネルリンパ節生検にてリンパ節転移を認めない、などが含まれる。

早期乳癌に対する単回術中電子線治療は日本人でも安全に実施可能

今回のPh.I試験では線量や照射領域の情報が得られ、良好な結果を得た
次のPh.IIで、更に多くのエビデンスが得られ、治療法の安全性有効性が分かることになるのだろう

照射だけで完治ができるということは、体にメスを入れないということ
体を傷つけず、乳がんが治療できるということは、癌患者の治療後の生活をより良く変えるということ
良い結果が出てほしいと思う