日々のつれづれ

不惑をむかえ戸惑いを隠せない男性の独り言

アンドロゲン陽性トリプルネガティブ乳がんの治療法

乳がんは、がんの中でも多くの研究が進み、外科的治療法、薬物療法放射線療法など、非常に多くの治療法がある病気です
乳がんは大きく4つに大別され、その分類に応じて適切な治療法が決まっている、という極めて治療法研究が進んでいます
そのため、乳がん患者の罹患率は極めて改善されています
https://i-chie.com/images/knowledge/knowledge01-01-07.gif
(医知恵から)

乳がん研究が高度なレベルにあるという背景もあって、アンジーのBRCA遺伝子検査というものが広く利用されていたり、BRCA検査にまつわる特許紛争が米国最高裁まで進み、判決が世界中を駆け巡るほど注目されたのでしょう

乳がんの分類

乳がんの治療は世界中の臨床医が4つの分類を指標に治療法を選択するという、標準化がもっとも進む癌です
https://i-chie.com/images/special/special-image-06-01.gif
(医知恵から)

この分類に加え、しこりの大きさからステージ分類が決まり、総合的な判断から治療法が決まります
https://i-chie.com/images/knowledge/knowledge02-02-02.gif
(医知恵から)

アンドロゲン受容体と乳がん

上の分類のエストロゲンとプロジェステロンは女性ホルモンです
乳がんは女性ホルモンが強く関与していることが分かっています

で、アンドロゲンは男性ホルモンです
アステラスはアンドロゲン受容体陽性のトリプルネガティブ乳がんに注目しました

 アステラス製薬は、6月27日、アンドロゲン受容体シグナル伝達を阻害するエンザルタミド(開発名:MDV3100)について、アンドロゲン受容体陽性トリプルネガティブ進行再発乳癌を対象としたフェーズ2試験について、患者組み入れを開始したと発表した。
(中略)
 トリプルネガティブ乳癌のサブタイプの1つとして、アンドロゲン受容体過剰発現が確認されるアンドロゲン受容体陽性例が存在することが知られている。

アンドロゲン受容体陽性トリプルネガティブ乳癌に対するエンザルタミドのフェーズ2試験が欧米で開始

アンドロゲンと乳がんの関係

私は「アンドロゲン受容体陽性トリプルネガティブ乳癌」を始めて聞きました

ですが、アンドロゲンの乳がんへの関与は研究対象として注目されています

ER陰性腫瘍と呼ばれる残りの25〜30%の乳がんは、エストロゲン受容体を有しておらず、従ってタモキシフェンおよびその類似物質には反応しない。
ほとんどの乳房腫瘍には−エストロゲン受容体を有しているものであっても−アンドロゲンの受容体があることは分かっているが、これらの受容体の存在理由、並びに腫瘍増殖にどのような影響を及ぼすのかについては、解明されていなかった。

女性に発症する一部の乳がんに男性ホルモンの受容体があるということは奇妙に思えるかもしれないが、アンドロゲンは女性の第二次性徴の正常な発達にもかかわっている
アンドロゲンは、アンドロゲンの受容体を有しているがエストロゲンの受容体を持たない乳がん細胞の増殖を促進する

エストロゲン非依存性乳がんへの新たな攻撃目標が明らかに

その中、アステラスは患者数が少ないが、アンメットメディカルニーズが高いこの希少乳がんに注目したのでしょう
これは、社会貢献の側面と、臨床試験を早く終わらせ市販後調査で効果を確認したいという投資採算性の観点からの選択かもしれません

アンドロゲン受容体陽性の乳がんは、トリプルネガティブ乳がんのサブタイプの一つと考えられており、アンドロゲン受容体の過剰発現が確認されています。
アステラス製薬は、乳がんを対象とするエンザルタミドの開発を進めることにより、乳がん治療に新たな選択肢を提供できることを期待しています。

アステラスHPから抜粋