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再発卵巣癌化学療法の現状と展望の資料

先月開催された第65回日本産科婦人科学会学術講演会では卵巣がんについての発表がいくつがあったようです。
ということで、興味深いトピックをNMオンラインから抜粋して、自分メモ。

再発卵巣がんの治療方針についての解説はこちらのPDFにあり、とても分かりやすい

簡単にまとめてみた。

ポイント

  • 再発卵巣癌の治療は、ファーストライン治療でプラチナ製剤を含むレジメンから再発までの期間(Platinum Free Interval:PFI)が重要
  • 治癒が困難な再発卵巣癌のセカンドライン治療の選択は、PFIを指標とした予後の改善、毒性コントロールが重要なポイント

PFI(Platinum Free Interval)分類

再発卵巣癌は患者のプラチナ製剤感受性で4分類される

  • Plutinum Refractory(PFI 1ヶ月未満)・・・プラチナ製剤不応性(効かない)
  • Platinum Resistant(PFI 1ヶ月〜半年)・・・プラチナ製剤抵抗性
  • Plutinum Partially Sensitive・・・プラチナ製剤部分間受精
  • Plutinum Fully Sensitive(PFI 半年〜1年)・・・プラチナ製剤感受性

ただ、治療法の選択は、使用する薬剤毎に有害事象や投与スケジュールが異なるため、患者と医師の間で十分に話し合って決定する必要がある

ファーストライン以降で大切なこと

  • 患者自身が化学療法の継続を強く希望している
  • 医師と患者のコミュニケーションが良好
  • PFが良好で、その化学療法が安全に施行できる
  • 緩和家用への説明と同意が得られている

セカンドライン治療法

プラチナ製剤不応性、抵抗性

現状、再発卵巣癌には化学療法、単剤によるChemo-Rotationが一般的
ゲムシタビン+プラチナ製剤併用が有望な結果を出しつつある
OSへの効果は今後の結果を待つ必要がある

  • Chemo-Rotation・・・延命を目的に、さまざまな化学療法を実施する治療法
プラチナ製剤部分感受性

ゲムシタビン+プラチナ製剤、PLD(リポソーム化ドキソルビシン)+プラチナ製剤が有望
ベバシズマブの同時併用、維持投与が標準治療になる可能性が高い

プラチナ製剤感受性

前治療のTC療法(パクリタキセル+カルボプラチン)で副作用(しびれ)が遷延するため、今後は主流でなくなる可能性がある
ゲムシタビン+プラチナ製剤、PLD+プラチナ製剤が今後の主流になる可能性が高い

再発卵巣癌化学療法の現状と展望

産婦人科学会では卵巣がんや子宮がん(子宮頚がんと子宮体がん)についてのトピックが多いので勉強になります。

一方で乳がん日本乳癌学会が中心となって情報発信しています。