乳がんは手術、薬物療法、放射線療法、たくさんの治療選択肢がある
エコー、CT、MRI、マンモグラフィー、たくさんの診断法がある
日本では定期検診も盛んで、早期発見ができる環境にある
だから、予後の良い方もたくさんいらっしゃる
早期発見ができること、それが生存率に反映する
乳がんはそれが実現可能な癌なんだと思う
(TBSリボンプロジェクトから)
で、乳がん学会があった
今年も未来を感じさせる発表がたくさんあった
その中で、興味深い発表があった
日本のエビデンスと海外のエビデンス
がん研究は世界中で実施されている
臨床医の方々は、世界の動きをとらえ、自分の国、目の前の患者様により良い治療を提供するためにアンテナを張り巡らせている
その中で一番、大切な道標になるのが「ガイドライン」です
国内外の情報を集めて、臨床医の間で情報の信頼性、有効性、患者様への負担など、総合的に判断して、治療方法の優先順位を決める
それがガイドライン
今回、乳癌のガイドラインが新しくなった
これは、近年の乳がん診療の動きに合わせた内容になっている
科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン 1治療編 2013年版
- 作者: 日本乳癌学会
- 出版社/メーカー: 金原出版
- 発売日: 2013/07/02
- メディア: 単行本
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科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン 2疫学・診断編 2013年版
- 作者: 日本乳癌学会
- 出版社/メーカー: 金原出版
- 発売日: 2013/07/02
- メディア: 単行本
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そのなかで興味深い記述があった
「乳癌診療ガイドライン 2013年版」(日本乳癌学会編)が6月27日に発売された。
日本の実情を反映した日本乳癌診療ガイドライン2013年版を発行
特徴の1つは、日本からのデータ、エビデンスをより重視したこと。
(中略)
一般的に、ガイドラインはエビデンスの数と質で評価される。
しかし、単純に数だけをみた場合、世界における日本のエビデンスの割合は小さくなり、日本人患者の利益とならない可能性がある。
日本人女性を対象とした研究結果であれば人種間差や医療環境の違いを配慮する必要がなく、日本からのエビデンスをもっと大切にすべきと考えられる。
日本発のエビデンスは優先評価し、推奨グレードや本文の文言に反映させた結果、新たに日本で臨床試験を開始する土壌ができれば望ましい。
乳がんは生活習慣の欧米化から、日本人の体質が変わったことで罹患率が変わってきたと言われています
日本では1年間に約3.5万人に乳がんが発生し、約1万人が乳がんで死亡しています。
熊本大学医学部附属病院から
乳がんの年齢調整罹患率は、1975年時点で女性10万人当たり21.7人でしたが、1998年では10万人当たり43.6人となり、23年間で約2倍に増加しています。
発症のピークは45歳〜49歳ですが、この年齢での乳がん罹患率は、1975年時点で10万人当たり55.3人であったものが、1998年では10万人当たり123.7人となっています。
特に40歳から60歳代の方が要注意年齢です。
欧米では日本の3−4倍の罹患率であり、日本での乳がんの増加は生活スタイルの欧米化が原因とされています。
そういった背景の中、新しいガイドラインが日本のエビデンスをより優先すると明言したことは興味深いです
欧米型とはいえ、日本人のデータを優先する、その決意の背景には、日本でエビデンスを積極的に獲って行くという意味も含まれていると思うからです