3種類の乳がんガイドライン
乳がんには有名なガイドラインが3種類もあるそうです。
臨床医の先生方は、その全てに目を通して、患者さまにあった治療をしているのだから、本当に頭が下がります。
- NCCNガイドライン
エビデンスレベルで4つのカテゴリーに分類
カテゴリー1 | 高レベルのエビデンスに基づく推奨 |
---|---|
NCCN内でコンセンサスが統一されている | |
カテゴリー2 | やや低いレベルのエビデンスに基づく推奨 |
NCCN内でコンセンサスが統一されている | |
カテゴリー3 | やや低いレベルのエビデンスに基づく推奨 |
NCCN内でコンセンサスが統一されていない | |
ただし、大きな意見の不一致はない | |
カテゴリー4 | いずれかのレベルのエビデンスに基づく推奨 |
NCCN内で大きな意見の不一致がある |
- St.Gallen治療指針
ER陽性、HER2陰性患者における化学療法/ホルモン療法の選択
化学療法/ホルモン療法のどちらにも適応 | 決定の参考にならない因子 | ホルモン療法に適応 | |
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ER・PgR陽性率 | より低い | より高い | |
組織学的グレード | グレード3 | グレード2 | グレード1 |
増殖能 | 高い | 中間 | 低い |
腋窩リンパ節転移 | 4個 | 1~3個 | 陰性 |
腫瘍周囲の脈管浸潤(PVI) | 広範 | 局所的 | |
病理学的腫瘍径(pT) | 5cm | 2.1~5cm | 2cm |
患者の希望 | 可能な治療法を全て希望 | 化学療法の副作用を避けたい | |
遺伝子発現解析スコア(補助的) | 高 | 中 | 低 |
A | エビデンスが十分 |
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日常診療で積極的に実践するよう推奨 | |
B | エビデンスがある |
日常診療で実践するよう推奨 | |
C | エビデンスが十分とはいえない |
日常診療で実践するときは十分に注意すること | |
D | 患者さまに害悪、不利益が及ぶ可能性がある |
日常診療で実践しないことを推奨 |