日々のつれづれ

不惑をむかえ戸惑いを隠せない男性の独り言

森毅先生の命日に思う

今週のお題「夏に読みたい1冊」
今日は森毅先生の命日

4年前、ご自宅で調理中に火傷を負い、その一年後に敗血症で天に召されました
初めは奥様と京都で暮らしていらっしゃたけど、その後は一人暮らしをされていた

ご老人の調理中の火傷のニュースはよく耳にするニュースでした
が、尊敬する先生が怪我をされたと知ると何とも言えない気持ちになりました

27日午後1時10分ごろ、京都府八幡市西山和気、京都大名誉教授で数学者の森毅さん(81)が、自宅1階の台所で昼食の調理中にこんろの火が衣服に燃え移り、胸、両腕、腹にやけどを負った。最も重い「3度」のやけどだが、関係者によると、容体は安定しているという。

八幡署や地元消防によると、森さんは1人暮らし。フライパンを使って卵料理を作っている最中に火が燃え移った。自ら119番し、搬送された時は、意識ははっきりしており、自ら歩いていた。大阪府枚方市の病院に搬送され、入院した。八幡署は過失とみている。

森さんは東大理学部卒業後、北海道大助手を経て、1971年から91年まで京大教授。在任中は「一刀斎」のニックネームで親しまれる名物教授で、専門の数学にとどまらず、各方面でユニークな考え方を披露。テレビ出演や著書も多く、親しみやすい「賢者」としてファンが多い。

数学者の森毅さんやけど 調理中、衣服に燃え移る

関西弁の社会、文化評論で知られる数学者で、京都大名誉教授の森毅(もり・つよし)さんが、24日午後7時30分、敗血症性ショックのため、大阪府寝屋川市内の病院で亡くなった。82歳だった。自宅は京都府八幡市西山和気6の11。告別式は行わない。

1928年、東京都生まれ。71年に京都大教授に就任。関数解析を専攻するほか、教育や文化史全般に関心を広げた。

91年の退官後、時事問題を鋭い視点と、独特の語り口で論評し、テレビなどでも幅広く活躍した。著書は「チャランポランのすすめ」「現代の古典解析」など100冊を超える。

昨年2月27日に自宅で料理中に大やけどを負って入院。家族によると、肺炎や敗血症を繰り返し、入院生活が続いた。最近は高熱を出し、4日ほど前から意識がなくなった。遺体は、家族が「医学のために役立ててほしい」と献体した。

数学者の森毅さん 敗血症性ショックで死去

森先生は学ぶ喜びを教えてくれた

森先生の授業を受けることは叶いませんでした
でも、高校時代、先輩から森先生の話をよく聞きました

受験勉強に追われる毎日
「勉強して良い点数をとる」
そのことに意味が見出せなくなり
毎日が追われるように過ぎて行く

そんなとき、森先生の存在を知り、

まちがったっていいじゃないか (ちくま文庫)

まちがったっていいじゃないか (ちくま文庫)

この本に出会った

何か、心がストンと楽な方に落ちた気がした
中学の頃に単純に勉強すること、新しいことを知ること、その喜びを思い出せた気がした

森先生の言葉はユルいけど、ストンとくる

森先生はたくさんの言葉を残してくださった
関西出身ということもあり、とても親しみやすい

NAVERにまとめがあった

  • 元気になれ、がんばれというメッセージが多すぎる。・・・みんなが毎日ハイになることないやんか。元気がない人もいてええんや。
  • 正しさは伝わらない。楽しさはうつる。
  • 賢(かしこ)に教わるぐらいアホでもできるわ。アホから教わるのがほんまの賢や。
  • バラバラに逃げることやね。集団にいると「安心」はできるが「安全」ではないからね。
  • エリートは育てるもんやない、勝手に育つもんや。
  • 予定通りの人生なんてそうあるもんやないよ。
  • たしかに、家へ帰ると、いくらかは外の社会を離れて自在にふるまえるよさがある。ただし、塀に閉ざされた内部だけで、庭の花を自分だけで楽しむというのでは、閉ざされすぎる。道を行く人がふと目にとめて、心を楽しませるぐらいのほうが、庭の花にはふさわしい。
  • 若いうちから、もっとムダせい、言うの。ムダがどれだけ身につくかで、教養が広がるんやからね。
  • 今の教育で何より必要なのは、どんな不確定な変動にもツブシの利く人間を育てることだろう。それを教師というツブシの利かぬ人間に委ねるところが困ったところ。もっと悪いのは、未来が不確定になればなるほど、当面の制度を安定化しようという図式である。
  • 英単語を覚えるのが受験勉強で、知らなくてもでっちあげるのが受験技術。
  • 即戦力なんて、自分を食いつぶすからね。あんまり即戦力になると、時代が変われば途端についていけなくなるからな。時代の変わり結構早いからね。
  • 年をとることはいいこと。
  • おじさん度というのは「だれでもこうするものだ」とか「みんなこうしてきたのだ」とかの言葉を、日常にどれだけ口にするかで測られる。
  • 傷つけないやさしさなんて偽物じゃないやろか。
  • 最近の人は、予定表に空白があると落ち着かへん「空白脅迫症」みたいなのが多いね。山登りでも、すぐ目的地へ行きたがる。僕は、山の上へ無駄なくいくより、谷の方でデレッとしてるのが好きなんや。そうするとね、シャキシャキしてたのでは見えないものも見える時があるよ。
  • 違うことはいいことだ。アハハって面白がってればいいのよ。
  • 一人っ子で協調性は弱いけど、社交性はあるんや
  • 失敗しても、またやり直したらええやんか
  • 確かに僕はずぼらだったけれど、先生がぶざまな姿を生徒に見せることも大事なんだよ
  • 60パーセントぐらい幸せだったら、相当に幸せだと思うことにすればいいと思っています。
  • ぜんぜんつかまらないタクシーが、その時だけバカに間がよくつかまったりするとか、はかない幸福もあったりする。そんなもんだろう、と僕は思う。
  • 何を選んでも、完璧な幸福というわけにはいかない。
〔数学者〕森毅“老人フリーター”の名言・格言集〔京都大名誉教授〕

年をとって森先生の半分の年齢になった
でも、どの言葉も、自分の心にストンとくる

ああ、そうだよね、って

森先生が私に残してくれたもの、もう一度、思い出す夜にしたい

一刀斎、最後の戯言

一刀斎、最後の戯言